348人が本棚に入れています
本棚に追加
「…勇さん!…好きなんだ!!
つき合ってくれ!!」
夕日が差し込む誰もいない廊下の突き当たりに、二人の男子高校生がいた。
そのうちの背が高い方、2年生の
潤一の声が、長い廊下に響いた。
もうひとりの3年生の勇は、けだるそうに頭を掻く。
「……あのなぁ…
潤一君…だっけ?
それ何十回と聞いてるんだけど…。」
「廊下で」
「聞いてる?」
「すれ違った時に、」
「…ねぇ」
「一目惚れしたんだ」
「……いやそれは分かった!分かったけど!
しつこいよお前!毎日毎日!」
勇はしつこい下級生に人差し指を突き付けた。
最初のコメントを投稿しよう!