プロローグ

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  「…勇さん!…好きなんだ!! つき合ってくれ!!」 夕日が差し込む誰もいない廊下の突き当たりに、二人の男子高校生がいた。 そのうちの背が高い方、2年生の 潤一の声が、長い廊下に響いた。 もうひとりの3年生の勇は、けだるそうに頭を掻く。 「……あのなぁ… 潤一君…だっけ? それ何十回と聞いてるんだけど…。」 「廊下で」 「聞いてる?」 「すれ違った時に、」 「…ねぇ」 「一目惚れしたんだ」 「……いやそれは分かった!分かったけど! しつこいよお前!毎日毎日!」 勇はしつこい下級生に人差し指を突き付けた。  
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