嫉妬

6/6
前へ
/98ページ
次へ
  「むう…」 潤一はまた悋気を滲ませる。 「ん… まあこんなの、つき合ったうちに入らない気もするけどね」 「ん…」 勇はチラリ、と横目でうなだれる潤一に視線をやった。 「ねえ…潤一」 「?」 「…妬いた?」 「………もちろん」 「…僕もお前が女子に告られた時、 同じくらい…いや、それよりももっと嫉妬してんだからな」 「…はい… …えっ、ソウナノ?!」 驚きながらも、顔を赤くして照れる潤一。 「えー……えへへ…ヤキモチ焼く勇…」 「なんだよ」 「…何でもないよランランルー!」 「うわっ…なに?!」 帰宅路には、空を仰ぐ背の高い男とそれを見守る男の影が二つ並んでいた。  
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

347人が本棚に入れています
本棚に追加