父親

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  ある日、辺りが闇に包まれた頃。 外は昼間の暑さを忘れてしまうほど冷えきっていた。 それと対照的に心地好い暖かさを保つ潤一の別荘で、潤一と勇はいつものようにリビングでテレビを観ながら談笑していた。 画面に映るのは司会者の高い引き笑いが多発するトーク番組。 司会者のシャレが上手すぎて二人ともが笑った。 ――丁度その時。 玄関の方でドアが開く音がした。 二人は互いの顔を見合わせる。 「…」 彼らは学校から帰宅した後、確かにしっかり鍵をかけた筈であった。 勝手に開く筈のないドアが開いたのだ。  
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