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潤一が足早に向かった玄関の先には、ビニール傘を差して潤一を待つ勇の姿があった。
「勇!」
潤一が呼ぶと、勇は少し幼さのある可愛らしい顔を向けた。
笑顔で駆け寄って来た潤一をジロリと見る。
「…遅いよ馬鹿」
「ごめんごめん」
「…何だったの?」
「ん?」
「…ほら、帰ろうとした時に女子に呼び止められてたじゃん」
「ああ…、うんチョットな」
「なにチョットて」
「いや…」
潤一は頭を掻き、言いずらそうに続けた。
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