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部活動に入っていないし、予備校にも通っていない。
彼氏もいないし、旅行に一緒に行きたいような友達もいない私は、夏休みになると行動範囲がバイト先くらいしかなくなる。
バイトにつぐバイトだ。
次々と新しい服でオシャレするには、もりもり働かないといけない。
女の子はお金がかかるのだ!
朝の9時に起きると、自然に見えるメイクを完璧に施し、オシャレ過ぎないけどどっからどう見てもオシャレな服を「どうせバイト行くだけだし家着できちゃった!」感を醸し出しながら、バイト先のある川崎駅まで自転車をこいで行く。
川崎駅には『アゼリア』という大きな地下街があって、そこにあるケーキ屋さん兼喫茶店が私のバイト先。
時給800円という高校生をナメているとしか言い様のない賃金も、制服の可愛いさで、まぁ我慢出来る。
なにより
『ケーキ屋さんでバイトしている女の子』の肩書きが可愛いくてこのバイトを選んだのだから、我慢するしかない。
忙しすぎず暇すぎない私のバイト先には、他の学校に通う同い年の女の子が一人いる。
彼女はとっても、とっても可哀想な女の子なのだ…
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