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そんな彼女がバイトにくるなりぷりぷりと怒っている。
「おはよ!レイカちゃんどしたのー?なんか機嫌悪い?」
「あ、優雨おはよー…もう聞いてよー!最悪!来る途中電車で痴漢!マジ最悪!」
「わ!大丈夫だったー?最近痴漢多いよねー!!」
と話を合わしているが、実は私は痴漢にあった事がない。
世の中の女の子達は、10人に聞いたら10人が痴漢被害経験者だ。
なのに!!
こんなに可愛い私は未経験者なのだ!
なぜに?
こんな妖怪カレイ女より、私は女として魅力がないの!?
「もうさ、痴漢するヤツ死刑でいいよねー。」
と妖怪は愚痴っているが、私にはどこか誇らしげに自慢されているように聞こえる。
さらに妖怪は
「うちの身体に触っていーのは彼氏だけだっつーの!」
「っつ!?」
彼氏いんのかよっ!?
私は「このカレイ女め!」と砂をかけてやろうかと思ったけど、砂がないので砂糖をぶっかけてやった。
もちろん手がすべった風にね。
バイトが夜の8時に終わり家路につく途中、私はてろてろと自転車をこぎながら、ある決意をした。
「こうなったら、意地でも痴漢にあってやる!!」
自転車をこぐ脚にぐいーんと力が入った。
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