第2話

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 『蝶』『餌』をキーとして検索スタート。  検索結果には、飼育方法についてのウェブページが上がってくる。その中にチラホラと「アゲハ蝶」の文字。  もしかして種類毎に飼育方法が違うのか?もしそうなら、彼女がどの種類の蝶か判明しないと調べようもないんじゃ……。    う~ん。  「どうしたの?」  「うわっ!」  背後から突然の声。僕は、上半身だけ前にのめった。  「起きたの!?」  声の主は目をこすりながら、頷く。「あ、ごめん。もしかして、うるさかった?」と聞くと、「ううん」と首を横に振った。  おはようと挨拶すると、おはようと返ってきた。それが、朝の挨拶の言葉だって理解しているんだ。  「そういえば、なんで君は、人間の言葉を話せるの?」  流暢じゃないけど、でも簡単な単語はしっかり理解している。  「きいてたからだとおもう」  「道を歩いてる人の会話を聞いて覚えたってこと?」  「うん、たぶん。……わたしのことばわかる?」  不安げに聞いてくる彼女に、十分伝わってるよと言うと、微笑みを返された。きっと、もっと上手くなるに違いない。  僕は、クルリと椅子を回転させ、彼女に体を向ける。そして、きょとんとした顔で首を傾げている彼女としっかり目を合わせる。
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