第2話

6/12
前へ
/12ページ
次へ
「じゃあ、これからよろしくね」 「うん、よろしく!」  よし、決心は伝えた。次は蝶について調べないと。  僕は、パソコンに向き直った。 「ねぇ、なにしてたの?」と、彼女がパソコンを覗き込んでくる。 「えっと。蝶の餌、いや、食べ物について調べてたんだ。君が人間と同じものを食べられるかるのかわからないから」 「たべもの……」 「うん。でもまずは、君がどの種類の蝶か調べたいんだ。わかる?」 「ちょうの、しゅるい……?」  さすがに種類はわからないか。    僕は、検索キーの入力欄にカーソルを合わせる。  キーが「蝶」だけだと、蝶の画像はいろいろ見られるかもしれないけど……。とりあえず、「蝶」「画像」で検索を開始して、出てきたウェブページの一つをクリックする。 「うわぁ、きれい」  画面いっぱいに展開された様々な蝶の写真に、すぐ後ろから声が上がる。  昨日見た記憶では、黒を基調とした翅に黄色の模様が入った蝶だった。画像から記憶に近いものを探す。 「これはどう?」  その蝶は、四枚の翅が黒く縁どられ、内側は黒と黄で形容しがたい模様を作っている。後ろの翅二枚の下部分には、うっすらと青い斑点が四つずつ入っている。  昨日見た蝶にすごく似ている気がする。  なるほど、これがアゲハ蝶らしい。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加