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「わたしとにてる」
「そっか」
ということは、僕の記憶と選択は正解に近いようだ。ほくほくとした気持ちで次の写真を選びにかかる。
「あ、いまの!」
突然、後ろからか細い腕が伸びてきた。彼女はパソコン画面を指したが、すでに戻るボタンで一つ前のページが表示されている。
「どれが気になったの?」と、先ほどまで開いていたアゲハ蝶のページを展開させ、ゆっくりスクロールする。
「これ」そう言って、指差したところには、『アゲハとキアゲハの違い』というタイトルで写真が複数並んでいる。
さっきは、文字を読まずに写真しか見ていなかったけど、別の種類の写真も並んでいたらしい。
タイトル通り、アゲハ蝶とキアゲハ蝶の写真が横に並び、違いの説明文が添えられている。けど、正直、ふと目に入った程度では、区別なんてつきそうもない違いだ。
彼女はキアゲハ蝶の写真を指している。
アゲハ蝶よりも黄色が多く、模様を描く黒色の線も細い。後ろの翅にある青色の斑点は鮮やかで、一つだけあるオレンジ色の斑点が際立っている。
「この蝶で間違いない?」
聞くと、うんと返事が返ってきた。どうやらこれで間違いないようだ。それにしても、蝶の写真をしっかり見たのは初めてだ。
細かい模様。
鮮やかな色使い。
「綺麗だね、君の翅」
振り向くと、何故か少し顔を赤らめた彼女の顔があった。
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