第2話

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 さて、次は、服を選ぼう。  僕は、アゲハくらいの女の子たちが買い物をしているお店を物色する。そして、お店に足を踏み入れようとした瞬間、僕は足を止めた。  下着、先に買うか……?    昨日アゲハに着せたのは、インナー用のシャツとTシャツとハーフパンツのみ。つまり、アゲハは今、ハーフパンツの下は何も履いていないわけで…。  ……。  だ、駄目だ! 考えるな!!  しかし、すでに手遅れ。もう耳まで発熱している。 「いかないの?」  急に立ち止まった僕を覗き込んでくるアゲハ。「かお、まっか」そう言って、顔に手を触れようとする。  グルン、と踵を返し、「先、こっち」と、すんでのところで逃げる。  心臓がバクバクいっている。免疫なさすぎだろ。っていうか、勝手に想像して、勝手に真っ赤になって、格好悪い。  落ち着け、落ち着くんだ。  歩きつつ、僕は努めて大きな呼吸を繰り返した。  彼女いない歴=年齢で、男兄弟の僕に下着専門店なんてハードルが高すぎる。高すぎて、きっと変な汗いっぱい出て、店員さんにも不審がられて…。うん、ダメだ。  だから、フロアいっぱいにワゴンや棚が並べられているコーナーに行くことにした。こっちの方が、専門店よりも安いし、気安い。
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