パキポディウムラメリー

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そっかと相槌を打つと、んだと返ってきた。 「本当、小山内はいい奴だよな。顔さえよかったらなぁ、つくづくMr.残念だよな」と哀れんでいた。   「おわっ、何だあれ」     遠くに目線を移した濱崎が思わず叫び声を上げた。 商店街の入り口からマサルがいつの日か横浜土産に買ってきた辮髪のフザけた表情のお面を被った人物がこちらに向かって歩いて来た。   「あ、あれ、斎藤さんの次男のジローさんだよ」   私は驚いている濱崎の横で答える。お面を被ったジローさんは私たちの前で一礼した。 両手にビニール袋をぶら下げ買出しをしていたらしい。 ジローさんにぺこりとお辞儀を返すと、ジローさんは階段を降りて行った。
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