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これはもう、癖みたいなもので、やって見ると意外と楽しいのだ。
始めてすぐにわかったことが一つ。
こいつらの中には魔力とは違うどこか……そう、硬いイメージの力がある。
恐らくこれが言霊使いの力の元だろう。
魔力で代替可能かは後で調べるとして、今は個人の観察に移る。
観察の目的は面白いか、面白くないかの振るい分けだが、果たしてこの世界はどこまで俺に興味を持たせてくれるのだろうか。
観察の傍ら、真面目な学生に扮した俺は、先輩らしき人の指示に従い、並べられた椅子に座る。
しかし。
見たところ数百は椅子があるが、一体何クラスに分けられるのだろうか。敷地面積に比例して生徒数もざらじゃない。
比較的来たのが遅く、後ろ目の席なので、前方の壇上は見難かったが、観察がちょうど五十人目に達する頃、そこに初老の男性が上がった。
どうやら早速入学式が始まるようだ。
「カタリの諸君。選ばれし諸君。君たちはこれから、ここ、ニールイル学園で、力の正き使い方を学んでいくだろう。」
そんな口上で始まった入学式には正直全く興味ないので、観察の方に全力を注ぐ。
そして、ほぼ全員を見終わった頃、長々とした祝辞とともに入学式は終了した。
どうでもいいが、言霊使いの演説には、特に効果はないのだろうか。
それとも使用には何か条件でもあるのか。
正直本当にどうでもいいので、またわらわらと講堂を去っていく生徒たちに続く。
今度はなぜか入り口で詰まっているようだが、その理由は入り口付近まで来て判明する。
クラス分けだ。
折角広いのだから何処かに張り出すでも、他所に移動するでもやり様があると思うが何か都合があるのだろう。
生徒を捌く先生の前について自分の名前を告げる。
危うく自分の名前を忘れるところだったが、どうにかこうにか。
どれだかわかりません。なんて言ったらどうなっていたか。
興味はあるがともかく、告げられた名はBクラス。
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