序章

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「『これだけは信じて欲しい。 あの時、俺たちは、想像もしていなかったんだ。 ーー街はゆっくりと崩れて行く。 最後まであがこうとする俺らを嘲笑うように。 俺はあいつらを信じてたし、あいつらだってきっとそうだった。 それなのにーーー いや、それを言うにはもっと前から話さなくてはいけない。 聞いてくれるだろうか。醜き俺の贖罪を。 あの、夏の日から始まった、俺たちの罪を。』 ルーク=アシュバルト作 夏 序章」 唄うように、彼は手に持つ煤けた本を読み上げた。
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