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事件の内容は、至極簡単。
言ってしまえば殺人事件だ。
ただ、面倒なのはその殺害方法。
凶器による犯行であればそれが密室であれ何であれ、俺の知るところではない。そんなものはこちらの警察にでも任せておけばいいのだ。
しかし今回の事件、被害者たちには、死亡時にある共通点が存在する。
………それが、契約時であった、という共通点が。
そうなると、もう警察の出る幕ではない。別ルート、つまり俺の出番な訳だ。
俺の性格上、普段面倒事に首を突っ込むのならば、それ相応、いや、それ以上の面白さを求めるものなのだが。
「理由の検討はついているのかしら?」
俺が諦めたのを見透かしたようにクリマが先を進める。
それに無言で答えた俺の意思を汲み取ったのであろう、彼女は一枚の紙をひらひらと俺の前で振った。
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