2556人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
こんな世界にいながら、樹利さんがナルシストっぽくないのが不思議。
「すれ違う女性が振り返りまくりで、ちょっと戸惑いますね」
小声でそう告げると、
「そんなこと気にすることか?」
と不思議そうに小首を傾げた。
ああ、そうか。
樹利さんにはこれが当たり前すぎて、特筆すべきことでもないんだ。
だから周囲の女性がどんなに振り返っても、どこ吹く風で颯爽と歩いているんだ。
私も樹利さんの姿でいる内は、そうしなきゃ。
何より間違っても内股になったりしないように。
そう思いスタスタと歩くと、脚が長いので一歩が大きくて、思った以上にグングン進めて驚いた。
最初のコメントを投稿しよう!