2557人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
―――
――――――
―――――――――
「お、終わったぁ」
可愛は控え室に入るなり脱力し、椅子にドッカリと座りハーッと息を吐いていると、
『コンコン』とドアがノックされ、あ、きっと樹利かな?と思いつつ「どうぞ」と声を上げると、
「お疲れ様」
と愛羅が姿を現した。
「あ、ああ」
彼女の姿に慌てて立ち上がると、
「座ったままでいいのに」
と勢いよく抱き付いて来て、壁に身体を押し付けられた。
「聞いたわよ、あの冴えない子と付き合ってるんですって?驚いちゃった」
見上げながらそう言って目を細めた愛羅に、何も言葉を返せずにいると、
「でも、樹利の気持ち分かる気がするな。
珍しいタイプに好奇心が疼いてつまみ食いしただけなのよね?
だけど、そろそろ飽きてきたんじゃない?」
そう言って露骨に胸を押し付けながら、頬に手を触れて来た。
「――えっ?」
そうなの、かな?
樹利さんは私が珍しいタイプだから、好奇心で付き合ったのかな?
バクバクと心臓が音を立てる。
最初のコメントを投稿しよう!