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「……可愛があの女に迫られてる姿を見るのは、すげー嫌だった。
可愛以外の女と自分がそうしている姿も、まるで浮気現場みたいで衝撃だったし、大事な可愛を勝手に弄ばれたような気にもなったし」
そう言って苦しげに目を細めた樹利に、可愛はすまなそうに肩をすぼめた。
「そ、そうですよね。
もし私が樹利さんのあんな姿を見たら、浮気現場だと思っちゃうかも」
「俺が来なかったら、あいつにヤられてたかもな」
「そ、そんな、それはないですよ」
「本当に?」
「う、うん。
あれ以上続けられたら、突き飛ばしちゃってたと思う」
「そっか、それなら良かった」
樹利はそう言って可愛を抱き寄せ、ヨシヨシと背中を撫でた。
「し、しかし、俺の身体はデカいなぁ」
「そうですね、今の樹利さん小さい」
クスクス笑ってそう言った可愛に、
「ま、どんな姿になっても、可愛は可愛だよ」
と樹利は笑い、可愛の首に手を回して自分は背伸びをして、唇を合わせた。
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