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樹利のマンションに戻り、とりあえず二人はベッドの上で向かい合って座った。
「そ、それじゃあ……始めますか?」
真っ赤な顔で小声で尋ねる可愛に、
「あ、ああ」
と樹利は真っ青な顔で目をそらしながら頷いた。
「樹利さん、顔色悪いけど大丈夫?」
「いや、今から男に抱かれるのかと思うと、寒気がして」
「男って、自分でしょう?」
「自分だろうと立派に男だろ?なんだよ、そのイカつい身体は!」
「じゃ、じゃあ、やめます?」
「うん、そうしようか」
そう言って顔を背けた樹利に、
「ちょっ待って、ここに来てやめるって」
と声を上げた可愛に、樹利は「えっ?」と目を開くと、
「な、なんていうか、内側が悶々として身体がすごく熱くて。
今すぐ樹利さんを押し倒しちゃいそうです。
わ、私じゃないみたいで」
と可愛は恥ずかしげにそう告げた。
「さすが、俺の身体。
可愛を前に我慢できなくなってんだな」
呆れたように息をつく樹利に、
「じ、自分のことですよね?」
と可愛は真っ赤になって声を上げた。
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