二人に起こった奇妙な出来事

3/31

2557人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
―――んんっ? なんだ、隣に寝てるのは男なのか? と思わず下腹部に手を伸ばしてみると、朝のせいか臨戦態勢となった立派な『男性自身』が存在し、 「うわッ」 と勢いよく目を開いて、身体を起こした。 誰だよ、俺のベッドで裸で寝てる男は! もしかして俺は何かの間違いを犯したのか? 今の俺は昨日までの俺とは違うのか? ギョッとしながら隣に視線を向けると、そこには焦げ茶色の柔らかそうな髪に、整った顔立ちの男が心地良さそうに横向きで眠っていた。 こ…こいつは誰だ? なんだかすげー俺に似てるな。 って、すげーどころじゃなくて、瓜二つなんじゃ? そう思い怪訝に眉を寄せながら、その男に顔を近付けると、視線を感じたのか、 「……おはよ、ございます、樹利さん」 と『彼』が目を擦りながら、ムニャムニャと目を覚ました。 その男はこちら見るなり、 「――えっ?なんで私がそこにいるの?」 と目を見開いた。 驚き見開いた男の目の中には、『可愛』の姿が映っていて、 「―――はっ?」 と樹利は勢いよくベッドを下りて、鏡を見ると、そこに映っているのは『菅野樹利』ではなく、呆然と鏡を覗く全裸の可愛の姿。 「マ、マジで?どういうことだ?」
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2557人が本棚に入れています
本棚に追加