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「……どうやら、俺と可愛の中身が入れ替わったみたいだな」
寝起きの混乱も少し落ち着き『可愛』の姿になった樹利はベッドであぐらをかきながら、弱ったように頭をかいた。
「し、信じられない、寝る前は普通だったのに」
『樹利』になった可愛は半泣きで、どうしよう、と唇を震わせた。
「まぁ、一度入れ替わったということは、また戻るだろ?
とりあえずメシにしよーぜ。
俺、仕事に行く準備をしないとなんねーし、可愛も大学だろ?」
サラリとそう告げてベッドを下りようとした樹利に、
「ま、待って樹利さん、姿が入れ替わってるんだから、私が仕事に行かないと」
と可愛が手を伸ばした。
「あ、そうか、じゃあ、俺が大学だな。
いいな、一度大学生ってのを味わってみたかったんだ」
少し楽しげにそう告げた樹利に、可愛は『ええ?』と目を開いた。
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