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「な、何を呑気な。
私、樹利さんの仕事出来る自信ないです」
「今日は撮影だけだから大丈夫だよ」
「で、でも、お願いです。大学は休んでいいので仕事についてきて下さい!」
情けない表情を浮かべ涙目で腕をつかんだ可愛に、
「わ、分かった。
頼むから、俺の姿で半ベソかくのはやめてくれよ」
「す、すみません」
シュンとして俯いた可愛に、樹利はクスリと笑って頭を撫で、
「中身が可愛だから、かわいいとは思うんだけどな。しかし、自分の頭を撫でるってすげー複雑」
と肩をすぼめた。
「で、ですよね。
私も情けない姿の樹利さんなんて嫌です。
シャキッとしなきゃ」
そう言ってベッドを下りて立ち上がった可愛に、樹利はプッと笑った。
「朝のせいか、下半身もシャキッとしてんな。
他人の目で見ると面白れー」
そう言ってケタケタ笑う樹利に、可愛は自分の下腹部を確認し、きゃあ、と声を上げベッドに膝を抱えるようにして座った。
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