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そんなことを思いながら歩いていると、すれ違う女性が自分を見ては振り返っていく姿に、思わずゴクリと息を呑んだ。
す、すごい、見事に女性がこっちを見ては振り返っていく。
な、なんだか抜群のイイ男になるって気持ちがいいかもしれない。
その時、すれ違った女性とふと目が合い、思わず小さく笑みを返すと、
途端にその彼女は真っ赤になった。
うわ、本当にすごい。
「可愛、何ニコニコしてんだ?」
キョトンして見上げて来た樹利に、可愛は思わずクスッと笑った。
……樹利さんから見たら、私は本当にこんなに小さいんだ。
いつも『小さいな』って頭を撫でられていたわけが分かるような気がする。
「ううん、樹利さんの世界ってすごいですね」
ショーウィンドウに映る自分の洗練された姿に、思わずウットリしてしまう。
だけどこれじゃあ、なんだかナルシストな男みたいで嫌だな。
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