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「はぁ。」
溜息をつく。何回目だろうか。
あいつと久しぶりに喋った。
性格は変わってないな。まぁ、相変わらず生意気な奴だった。
あいつはあの時もそうだった。
俺がせっかく気を使ったのにあいつは手をはねのけた。ムカつく奴。
あいつは俺の事を覚えていないだろう。記憶の片隅にもないだろう。
…そう思うとムカついてきた。
俺はあの時から決めてるんだ。もうあいつを助けたりしない。
あいつなんかどん底に落ちればいいんだ。
そしたら腹から声だして嘲笑ってやるよ。
「…。あっちぃ。」
さっきまではそんなに熱くなかったはずなのに。
あそこを出てから妙に顔が熱い。
鏡があったのでチラリとのぞき見してみる。
「は…?」
そこにいるのは顔が赤くニヤけた俺。
なんだこの顔。気色わりぃ。
あいつが。あいつのせいだ。そうだ!きっとそうだ。
…?でもあいつは俺になにかしたか?
喋っただけ。うん、間違いねぇ。
あいつを思い出すだけでモヤモヤする。
どんだけあいつの事嫌いなんだよ、俺。
顔がニヤけてるのはきっとメイドの……美雨だったか?
あいつが美人だったからかもしれないな。
そんなことでニヤける俺キモイ。キモイっつーか…
「あああああぁぁああああ……」
考えんのもだるい。やめよう。
俺は急いで家に帰る。
ドアを開けるとそこには見慣れた奴が立っていた。
「お帰りなさい。日向。」
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