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突然だが…俺は姉が嫌いだ。
姉は中学時代にいじめに遭い、不登校になった。
それからと言うものいじめを理由にし高校にも行かず、家に引きこもる。
俺は姉が家で寝ている間、高校へ行き勉学に勤しむ。
俺は姉が羨ましかった、日がな一日眠りこけ、腹が減ればインスタント食品を口にし、ゲーム三昧な日々。
俺には絶対に手に出来ない物だ。
姉は俺が帰るや否や眉間に皺を寄せ不機嫌になる。
態度、言動も高圧的で俺が口答えすればすぐ、物に当たり散らし壊す。
そんな姉を母は見捨てなかった。
姉が働かない分、無理して働きよく体を壊していた。
そんな母を姉はいたわる事もせず、無視を決め込んでいる。
父は姉が不登校になった時点で愛想を尽かし、二年前に離婚…。
今は別の家庭を築き、幸せに暮らしている。
俺がしかっりしないといけない!!!
俺の決意とは裏腹に母が床に伏せた…。
末期の癌らしい、原因は心労に加え過労が祟って最早、手の打ちようがないそうだ…。
医者に余命、半年を宣告された…。
そんな時でも母は姉を心配していた。
母「あの子には私が居ないと…。」
限界だった…。
俺の家庭は姉のせいで滅茶苦茶になったんだ!!
こんなにボロボロになった母にいたわる事すらせず働かせ続けた姉を俺は心から憎んだ。
殺してやろうと考えた。
けど、病院から連絡が入り母の容態が急変したそうだ。
俺は急いで家を飛び出し、病院へ向かった。
病室では医師達が必死に心臓マッサージを行い、微かな心電図の音が部屋に木霊していた。
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