どしゃ降り

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(……何でこんな事になったのよ…) シャワーを浴びた後、すっかりメイクが落ちてしまった冴えない自分が鏡に映り、ガックリと肩を落とす。 ま、いくら取り繕ったところで、今更どうしようもないけど。 何だろう、さっきまで泣くくらい先生が好きだったんだとか思ってたくせに。 こんなにもアッサリと吹っ切れるくらい、大して好きじゃなかったんだ、きっと。 啓輔と別れたばっかで、心が折れてたから。 あんな風に優しくされた事がなかったから。 てか、私の中で先生を美化し過ぎていたのかも。 先生なんだから、生徒に優しいのは当たり前で。 私だけが特別な訳じゃない。 ハッキリ言って、先生の事そんなに知らないのに、私、何浮かれてたんだろう。 1年も。 ハハッと軽く笑ってみた。 「……」 ……全然吹っ切れていない。 結局、自分の都合のいいように思いたいだけだ。 最初から好きじゃなかったんだ、って、自分に暗示をかけて。 これ以上…、傷が深くならないように。 ため息をひとつついた後、おばあさんが用意してくれたシルクの部屋着に袖を通す。 そして、脱衣所の扉を開けた私は、思わずキャッと悲鳴を上げた。
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