41人が本棚に入れています
本棚に追加
妹、と聞いて思い出す子がいる。
べつに、生き別れの兄弟とかそういうのじゃなくてただの親戚だ。
親戚と言ったら一年に一回合うか合わないかぐらいが普通だと思うのだが、
家が近いというのもあり、よく弟と遊んでいるのだ。
弟にとっては幼なじみで、
俺にとっては可愛い妹みたいなもの。
でも、俺になついているのはいいんだけれども、
サンドバッグ代わりに使うのはやめてほしい。
華奢な体の癖に蹴りと右ストレートだけはヘビー級だからな。
一回渡っちゃ行けない川見えたし。
それでも、笑顔な俺は、ドMかもしれない。
美咲さんに殴られてもイライラしないのもMだったからだろうか?
…思い違いであって欲しい。
長々と俺の性癖について考えてるうちに夜は明けて朝になっていた。
小学生の遠足前夜もこんな感じだったなぁ、なんて寝不足の頭で思い出す。
あの頃は毎日が楽しかったっけな、逆に楽しくなかったことがなかった気がする。
いつも、見てる世界、全てが新しくて、興味深くて。
友達といるだけで、何もかもが色とりどりに色づいていく。
――いつから俺の世界は、灰色一色になったのだろうか…
「学校行こう」
美咲さんに会えるってだけで心が踊る。
体が軽い…
こんな幸せな気持ちで学校行くなんて久しぶり…
もう何も恐くない━━━!
ティロ・フィナーレ!!
最初のコメントを投稿しよう!