プロローグ

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高校生活。 その単語を聞いて真っ先に何を思い浮かべるだろうか。 普通なら彼女、部活、青春とかなのだろう。 一方俺はというと、 真っ先に【フラグ】の三文字を思い浮かべた。 ――初めて学校が始まる日。この日からもうすでに物語は始まっている。 そして、高校三年間で様々なフラグを立て、ハーレムを作る。 それが、俗に言うラノベ主人公って奴だ。 そんな、ラノベ主人公に憧れ早三年が過ぎた。 毎日毎日、ラノベを読んではこんな青春がしたいと思い続けてきた。 しかし、現実は非情だった。 小学生の頃は自慢ではないがモテモテだった。 しかし、中学二年生を境に、全くと言っていいほどモテなくなった。 当時、何がいけなかったのかわからなかった俺をぶん殴ってやりたい… 理由は簡単。 厨二病を発症したからだ。 『くっ…右目が、右目がぁぁぁ』 なんて、言ってるやつに近づきたいとは思わないだろう。 最初のうちは『大丈夫?保健室行く?』なんて優しい声をかけてくれていたのだが、中二の最後らへんになると、先生すら構ってくれなくなった。 まあ、所謂ぼっちである。 別に寂しいとは思わなかった。 あ、あれおかしいなぁ、目から汗が… 「…よし、一旦やめようぜ俺。今更後悔したってしかたない。」 納得させるように自分につぶやく。 制服に着替え、食パンも咥えた。 準備は完了だ。 「うし、いっふぇひぃまーふ!」(行ってきまーす!) 現時刻8:10分。 始業式が始まるのは、 えーっと… 8時25分からか。 「あれ?遅刻じゃ…」
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