第1話『先輩がツンデレだった件について』

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「ハァハァ…」 やはり、運動してない体で家から駅へ、駅から学校まで走るのは些か辛いものがある。 まあ、やっと正門についたのはいいのだけれど。 現時刻8時40分。 完全に遅刻だ。 なんて、言い訳しようか考えようとしても、朝のパンを落として、ろくになにも食ってない俺は、考えることをやめるしかなかった。 テンプレの真似なんかするんじゃなかったな。 よく考えたらパンくわえてんの女の子の方だし! 今さら気付いたのかって現在俺に、心を閉ざしているでかい門が笑った気がした。 「ああ、どうしよう。これ詰んだわ…」 何故、守衛さんみたいな人がいない!? これじゃあ、どうやって中に入ればいいんだよ… 校門の前で頭を抱えていると、後ろに人の気配を感じた。 ああ、お巡りさんかな。いつもいつもご苦労さまです。 こんな格好してたらそりゃ不審に思い、話しかけますよね、はい。 まあまあ、そんなことより聞いて下さいよ。 ここに守衛さんがいないのって危険だとは思いませんか? え?変人が門の前で頭抱えてる方が危険だって!? そんなわけ… はっ!なるほどそういうことか。 つまり、俺が変質者と思われてると…。 俺の妄想もたまには役に立つな。 って、まずい! 冷静になってる場合じゃねぇ。 まずは、誤解を解かなくちゃ。 初日から捕まってられるかよ!! 「違うんです、その、遅刻してしまっただけで、決して怪しい者j…」 「は?」 「え?」 立っていたのは、俺と同い年ぐらいの美少女だった。
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