41人が本棚に入れています
本棚に追加
「ハァハァ…」
やはり、運動してない体で家から駅へ、駅から学校まで走るのは些か辛いものがある。
まあ、やっと正門についたのはいいのだけれど。
現時刻8時40分。
完全に遅刻だ。
なんて、言い訳しようか考えようとしても、朝のパンを落として、ろくになにも食ってない俺は、考えることをやめるしかなかった。
テンプレの真似なんかするんじゃなかったな。
よく考えたらパンくわえてんの女の子の方だし!
今さら気付いたのかって現在俺に、心を閉ざしているでかい門が笑った気がした。
「ああ、どうしよう。これ詰んだわ…」
何故、守衛さんみたいな人がいない!?
これじゃあ、どうやって中に入ればいいんだよ…
校門の前で頭を抱えていると、後ろに人の気配を感じた。
ああ、お巡りさんかな。いつもいつもご苦労さまです。
こんな格好してたらそりゃ不審に思い、話しかけますよね、はい。
まあまあ、そんなことより聞いて下さいよ。
ここに守衛さんがいないのって危険だとは思いませんか?
え?変人が門の前で頭抱えてる方が危険だって!?
そんなわけ…
はっ!なるほどそういうことか。
つまり、俺が変質者と思われてると…。
俺の妄想もたまには役に立つな。
って、まずい!
冷静になってる場合じゃねぇ。
まずは、誤解を解かなくちゃ。
初日から捕まってられるかよ!!
「違うんです、その、遅刻してしまっただけで、決して怪しい者j…」
「は?」
「え?」
立っていたのは、俺と同い年ぐらいの美少女だった。
最初のコメントを投稿しよう!