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「この野郎が」
エディは呆れるように吐き捨てるが、暗闇でもその口元が緩んでいるのが分かる。ケイも目を細めた。
「野郎は、そっひ、ひゃないか」
再び出ようとするあくびを今度は我慢しない。ケイはそこに仰向けに寝転がった。
綺麗な夜空だ。無数の星々が瞬き、月は静かに微笑む。
「知ってたか?ケイ」
「何を?」
ケイは頭だけを起こしてエディを見た。
「コルツが明日で14歳になる」
「14歳?……ってことは」
ああ、とエディは満足げに答える。
「見張り番が一人増える」
「やった!」
座っていたら手を打ったはずだ。番が一人増えるとはつまり、それぞれの番に当たる頻度が減ることを意味する。
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