第1章 ケイ・ソルガイア

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「……!」 痺れにも似た悪寒が背中を走り、ケイは咄嗟に身を起こした。髪の毛が一斉に逆立つ。 「エディ!」 「何か見えるか?」 月明かりが照らす村は静かだ。 「ううん」 「俺も見えない」 「……うん、何も」 二人は目を凝らすが、依然として動くものはない。 「あれが気のせいだっていうのか?」 エディは、馬鹿か、と続くような声色でぼやく。 「かなり、近かったね」 感覚を信じるなら“奴ら”は湖あたりまで来ているはずだ。それも小者だけではないような、強い気配を感じた。 「あいつらが隠れたりすると思うか?」 ケイは村を見渡して首を傾げる。見張りを恐れるようなタチではないだろうが、森と村には隔たりがあるために、隠れたまま村に入ることはできない。
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