第1章 ケイ・ソルガイア

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……数分。いや、数十秒。 あまりにも遅い時間の流れにもどかしさを覚える。“奴ら”の気配をうっすら漂わせた空気は、やはり動こうとしない。 ケイは空を仰ぐ。タムが、みんなが無事であるようにと祈る。明るい月でさえ、知らないよ、と彼らを見放しているように思えた。 沈黙に耐え兼ねたのかエディが、小さくため息をついた。 「やってられるかよ」 独り言のように呟く。 「……うん」 エディが口を結ぶのが分かる。 「まったくだよ」 聞こえるか聞こえないかの声でケイは囁いた。エディのものと同じため息が思わず、ゆっくりと口から漏れる。 「エディ?」 「何」 ケイは再び森に目を落とした。やはり変化はない。
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