第1章 ケイ・ソルガイア

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ラノ。ローブの袖を捲り、腕に空色のバングルをしているという。彼はセロの構成員である。鈍器のような剣で人を嘘みたいに殺す、そうだ。 セロについての情報のほとんどは、村の大人がたかって一人の下級兵士を押さえつけ、拷問して得たという。人道に反するとも思うが、犠牲を最小限に留めるための策だ、と長老は言ったらしい。 すべては聞いたことだ。 兵士に村を襲われたことも、また一度ラノが来たこともある。しかし当然、ケイもただ逃げただけだった。 「でも」 ケイは口を開く。 「今夜はもう大丈夫な気がする」 二人は村を見渡した。 気配は、普段どおりと言っていいほどに薄まっている。首筋に感じていた悪寒ももうない。 「戻るのか?」 「いけない?残業して疲れたんだ」 「……そうだな」 エディは今晩で何度目かのため息をこぼした。ケイは狭い台の上で腰を上げ、エディの後ろに下がる。
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