第1章 ケイ・ソルガイア

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ケイは地上から目を上げた。夜空は地面から眺めるよりも近く、数知れない星が瞬く。 その上今日は、特別に月が明るかった。満月は過ぎてしまったが、照らす光は暖かく優しい。 真夜中でも村がうっすら見えるのは、この明るい月や沢山の星のおかげだった。 雲のない夜に丘の物見台から見たこの景色は、村のいちばんに美しい姿だとケイは信じている。 この丘からは村が一望できる。 集落はもちろん、湖や広場、森まで見渡せる。初めてここに上ったとき、隠し事はできない、と思ったのを覚えている。 とその時、ひとつの家の扉が開いた。長身の青年がこちらへと走るのを見て、ケイはクスリと笑う。
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