第1章 ケイ・ソルガイア

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「寝てた」 エディは息を弾ませたまま、それだけを言った。 「何回目だよ、それ」 思わずクスリと笑う。 「知らね。そうだ、ケイもこの前」 「え?いつ」 「一年前だな、あれは」 エディは得意気だ。 「そんなに昔の?忘れたよ」 「俺は覚えてるな。暑い夜に……」 「何それ、忘れた忘れた」 ケイは言いながら、エディの場所を空ける。 「昼間にずっと水を運んでた日だったな。確か、玄関で寝てたって……」 「ああー、うるさいってば!」 ケイは顔をしかめる。 それは真夏の夜のことだ。気がつくと小屋の入り口に突っ伏したまま、夜を明かしていたのである。 「まあ、あれだ。お互い様じゃないか」 「エディは寝過ごしすぎ」 かもな、と彼は苦笑を漏らす。 この交代の時間に喋るのが見張り番の日の習慣であり、唯一の楽しみだった。
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