第1章 ケイ・ソルガイア

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「寝違えたな、これ」 彼は悪びれもせず、ケイの隣に座って肩を回した。彼が腕をいっぱいに伸ばすと、ただでさえ狭い台の足場の上から落ちそうになる。 「肩?」 「ああ。床で寝てたら、固まった」 言って、だるそうに腕を動かす。その首がゴキッと音をたてた。 「寝すぎもよくないよね」 何の気なしに呟く。 「夜寝ないと体壊すだろ」 「昼は?」 「昼寝は必要だ」 「朝」 「……眠いんだよ、悪いか」 照れたように笑うエディは、再び肩を大きく回す。 「肩、あとで揉んであげるよ」 「おう、頼む」 エディが発する熱気で、もう肌寒くはない。少し暑苦しいが居心地はよかった。
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