第一章 血の池地獄

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   場所は、鎌ケ谷市。  市内の工場の敷地内。そこに、同工場の社長の趣味で掘った池。  そこが、現場である。  現場の特定は、画像の解析よりも先に、工場の従業員より通報が入ったからだった。 『勤務先の工場の池が、真っ赤になってるんです。ペンキか何かならまだいいけど、もしも血だったらと思って……』  その声には、不安の色が浮かんでいる。  投稿画像の事もある。これは、イタズラの通報では無いと判断され、所轄署に連絡が行った。  ただちに、鎌ケ谷中央署から捜査員は急行した。  同時に、投稿者が判明する。  投稿者は、現場の工場に勤務する工場長の息子。  現在は、立哨大学の二年生。  山下 洸輝 十九歳。  こちらにも、捜査員がかけつけ事情を聴いた。
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