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「しかし、その人は本当に信用できるのか」
「大丈夫。お前には紹介してなかったが、俺とその人は十年来の付き合いがあるんだ。だから、頼む」
そう言うと、男は頭を下げた。
頭を下げられた男の方は、テーブルの上の書類に視線を落とす。
借用書。
話の流れから察するに、頭を下げた男が相手に連帯保証人を頼んでいる様子。そして、保証人を頼んでいる男は、法人では無く個人から借金をするようだ。
それにしては、借用書が本格的だ。
契約者の記入欄の下には、細々とした契約内容や、それに付随する約款が記されている。ただそうしたものの文字の大きさは、解読に拡大鏡が必要なほど小さい。
本来、それらは全て確認すべき事。
だが、保証人を頼まれた男は、それをせずに話していた。
それは、相手を信用しているのだろう。
目の前の男が大丈夫と言えば、その契約内容も含めて丸ごと信用してしまう。
それが、二人の関係性と見られる。
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