プロローグのような何か

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女が手をかざしたそのとき 突如として それはまるで爆発でもするかのように 膨張し 同時に触手のような物を凄まじい速度で広げ始めた 吹き飛ばされた二人は 膝をつきながらも前を見る 男「何をする気だこいつ!!」 女「私にもわからない!! だが………何かを探している…………?」 一歩踏み出そうとしていた男の足が止まる 男「探す………? 意思も魂すらも持たないこいつが?」 女「………ああ 確かにそうだが貴様とて この《歪み》の正体を 知らない訳ではなかろう」 何も無いはずのここに 衝撃波をまき散らす目の前の黒い物体を見据えながら 女は言った …………納得がいかない 男は考える 本来“生物”に無くてはならない “意思も魂も”持たないこいつが まるで“生物”のように動き 己の存在意義を利用してまで探す物など………
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