イミテーションギャング

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「黒猫はまだ見つからないか?」 「サロマ、俺が見つけてみせるよ」  ――こいつは俺にとって良き相方だ。 「俺はこんなちっぽけな組織に収まりたくない。ナトリを殺ってもいいか?」 「そしたら俺が殺すよ?」  弱小組織に明日なんてないだろうに、と華去時は言う。 「俺はな、華去爾。ナトリを愛してる訳よ。殺すっていったら、俺は全力で止める訳よ」 「そうか。それじゃあ痛み分けになるかな。俺のマグナム3口径とお前のイングラム4口径なら俺の方が分が悪い。だけど俺の方が素早さがある。俺とお前、どっちが強いか、試すか?」 「いらねえだろ。俺は勝てなくてもいいってことだ」  工場はおんぼろ屋敷。つましい生活を余儀なくされたことに華去爾は怒っている。 「まあな、お前の言い分は解る。ここを縮小させたのは彼女のせいだからな」  イングラム4口径とマグナム3口径がカツンと音を立てた。ダンボール箱に座ったサロマは諒花を呼んだ。 「サロマさん。なに?」 「ナトリのこと頼むわ。お前のロケットランチャーを軽くしてくれた漆器に、こいつの面倒見てくれって言っといてくれ」 「了解」  イングラム4口径に触った諒花は重そうに引きずって行く。途中で漆器が戻って来たのでサロマは諒花から銃を取り上げた。 「重かったな。ごめんよ。僕がやればいいんだね。サロマ、注文は?」 「この弾倉を速く回して欲しい。そんだけじゃ」 「よかよか。僕の技巧を足しますね。僕のタイプ的に限界があるので、あなたのイングラム4口径をまた早落としに変えますね」  漆器は茶髪の技工士だ。ナトリの配下にいるからこそ嫌っている。
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