イミテーションギャング

7/8
前へ
/128ページ
次へ
「それ、桜雪が援護します!」 「あたしも援護するわ、ナトリ!」 「いーよ。あたしと勝負だ、ずばばばばーん!」 「くしゃしゃしゃしゃしゃ!この黒猫三番、女を殺めるつもりはない!ひざまづけ、かしづけ!くしゃしゃしゃしゃ!」  ナガメはそれを訊くと、窓から逃げ去った。  華去爾は廃れた銃を構え、黒猫に立ち向かう。 「これが俺のやり方だ!」 「くしゃしゃ!それならナガメ勢力はこうだ!」 「俺たちの総本山が逃げたから撤退するわ!」 「くしゃしゃしゃ!させないよん」  黒猫はかかとを鳴らして飛んだ。 「我は黒猫三番、参る!」 「よし、華さん、やっちまってください!」 「漢と漢の一発勝負だ!」  加藤狂と漆器がそう言うと、ナトリは欠伸をかました。 「いーけど、寝るね。ばいばい」  出来損ないだけど、ごめん、と呟いて華去爾にカツンと右腕に取りつけたブリュームを合わせた。 「了解しました。俺が統括します」 「くしゃしゃしゃ!黒猫三番のバルカンを受けて見よ!」 「逃げて!華!」  諒花の言葉に、華は地面を蹴った。そこに着弾する弾丸。土埃が舞い上がる。  ――今だ!  華去爾は廃れたマグナム3口径だけで突撃した。一発撃ったものの、黒猫には届かない。 「くしゃしゃ!お前できんじゃん!そら、もう一発撃ってみそ!」 「なんだとこの野郎!」  もう二発撃つ華去爾。その弾は黒猫の足をかすめた。 「痛ェ!なんだ、やれるんじゃん!きしゃしゃしゃ!かしづけ、ひざまずけ!本気を出すぞ!」 「みんな、離れて!」  桜雪の言葉に、工場から全員退避した。 「これで二人きりになったな」  
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加