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「仕事が早くて助かります。
白木も、真似してごらんなさい」
「数えてクラス毎に分けるだけだろう」
慎一に溜息をついてみせたのは、竜也。
鞠弥――憧れの君である。
『本当は、まだ信じられていないけど』
中学生になったら、
色んな人と出会うとは思っていた。
たくさん友達も欲しい、と。
でも、恋は。
そこに、恋は入っていなかったから。
「はい。中3も終わりです」
「おや、手は動いていたんですね。
それは失礼しました」
聞き方によっては嫌味だけれど、
慎一の場合これがデフォルトである。
「では、その調子でお願いします」
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