ダージリン/ファーストフラッシュ

4/40
217人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
その言葉を最後に、 慎一はまた出て行ってしまって。 生徒会室には、竜也と鞠弥の二人だけ。 一緒に補佐になったはずの苑海は、 早速クラブを決めて行ってしまった。 テニスをするために選んだ学校だから、 当然ではあるんだけど。 瞬は別件で兄たちと教員室に向かった。 副会長ペアは、印刷室で機械と格闘中。 そして竜也と鞠弥は、 印刷物をクラス毎に仕分けしている。 「そんなに根を詰めなくてもいい」 「え?」 突然声を掛けられ、 鞠弥は飛び跳ねるように振り向いた。 緊張して、顔はマトモに見られない。 「枚数はコピー機が数えてる。  ざっと確認するだけでいいから」 「あ、はい。すみません」 「別に、謝ることじゃない」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!