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その言葉を最後に、
慎一はまた出て行ってしまって。
生徒会室には、竜也と鞠弥の二人だけ。
一緒に補佐になったはずの苑海は、
早速クラブを決めて行ってしまった。
テニスをするために選んだ学校だから、
当然ではあるんだけど。
瞬は別件で兄たちと教員室に向かった。
副会長ペアは、印刷室で機械と格闘中。
そして竜也と鞠弥は、
印刷物をクラス毎に仕分けしている。
「そんなに根を詰めなくてもいい」
「え?」
突然声を掛けられ、
鞠弥は飛び跳ねるように振り向いた。
緊張して、顔はマトモに見られない。
「枚数はコピー機が数えてる。
ざっと確認するだけでいいから」
「あ、はい。すみません」
「別に、謝ることじゃない」
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