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「いたた……。ごめんなさい、お兄さん」
その子は立ち上がって服をはたくと、ペコリと頭を下げてくる。
本来なら返事をして立ち去る所だが、俺はその子の腰に下げている武器を見てかなり驚いた。
何故ならその子は、双剣を持っていたからだ。
いくら子供とはいえ、双剣なんて技術がいる武器を使う冒険者はあまりいない。普通、短剣か長剣だろう。この子、見た目より強いかもしれない。
「いや、別にいいよ。それより君、冒険者かい?」
「え?はいぃ、そうですけどぉ」
……何だか間延びした喋り方だな。
見た目からして10歳ぐらいか?
まぁ、それはいいか。
「君みたいな小さい子でも、旅をしてるんだな。引き留めて悪かった。頑張ってな」
多分なにか理由があって旅をしてるんだろうけど、初対面から聞くのもな。
そう思い酒場へ行こうとしたが、誰かに服を引っ張られた。
言わずもがな、金髪の子だが。
「ちょっとお兄さん?誰が虫より小さいマイクロチビだってぇ?」
金髪の子は凄い笑顔を浮かべ、そう言った。
そんなこと一言も言ってないし立ち去ろうてしたが、体が前にいかない。
この子、実は凄い力持ちなのか?
「いや、そんなこと言ってな」
「うるさ~いぃ!!ソラは20歳だから子供じゃないのぉ!!身長もこれから大きくなるもん!!」
20歳……?俺やチグサと同じ歳だと?
140cmぐらいしか身長がない、この子が?
「いやいや、君。つくならもっとマシな嘘つこうな?」
「嘘じゃないもん!!ソラは大人だもん!!」
……大人はそんなに駄々こねるみたいな仕草、しないけどな。
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