2人が本棚に入れています
本棚に追加
「クオン遅ーい!!」
「来たか、クオン。おはよう」
「ごめんな、チグサ。ごめん、父さん。おはよう」
あれから数分でいつも修行している広場についたのだが、思ったとおりチグサだけプリプリ怒っていた。
チグサは普段は気が利くし優しいんだけど、俺にだけ厳しいんだよな。でも謝るとすぐ許してくれるんだけど。
「もう、次から気をつけなさいよ?」
「ああ、わかったよ」
ほらな。父さんは怒ってないみたいだし、さっそく始めようか。
「父さん、今日はどんな練習するんだ?」
「そうだな、受けは結構できてるから、攻めの練習をするか」
「了解」
そう言い、俺は持ってきた剣を中段に構える。
父さんは若い頃は王宮の騎士団長だったらしく、かなり強い。
母さんが居なくなってこの村で修行をはじめ、まだマトモに一本とれない。
この世界は魔物が存在するため、いざという時の為に強くないといけない。
同時に魔法も存在するのだが、何故か俺はほとんど使えない。
逆にチグサは剣術は駄目だが、魔法は天才的に多種多様に使える。
羨ましい限りだ。
「どうした?お前が来なきゃ練習にならないぞ?」
いかんいかん。またボーっとしてしまった。
「ごめん。じゃあ……行くよ!!」
最初のコメントを投稿しよう!