序章 プロローグ

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「クオン遅ーい!!」 「来たか、クオン。おはよう」 「ごめんな、チグサ。ごめん、父さん。おはよう」 あれから数分でいつも修行している広場についたのだが、思ったとおりチグサだけプリプリ怒っていた。 チグサは普段は気が利くし優しいんだけど、俺にだけ厳しいんだよな。でも謝るとすぐ許してくれるんだけど。 「もう、次から気をつけなさいよ?」 「ああ、わかったよ」 ほらな。父さんは怒ってないみたいだし、さっそく始めようか。 「父さん、今日はどんな練習するんだ?」 「そうだな、受けは結構できてるから、攻めの練習をするか」 「了解」 そう言い、俺は持ってきた剣を中段に構える。 父さんは若い頃は王宮の騎士団長だったらしく、かなり強い。 母さんが居なくなってこの村で修行をはじめ、まだマトモに一本とれない。 この世界は魔物が存在するため、いざという時の為に強くないといけない。 同時に魔法も存在するのだが、何故か俺はほとんど使えない。 逆にチグサは剣術は駄目だが、魔法は天才的に多種多様に使える。 羨ましい限りだ。 「どうした?お前が来なきゃ練習にならないぞ?」 いかんいかん。またボーっとしてしまった。 「ごめん。じゃあ……行くよ!!」
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