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俺は剣を強く握りしめ、父さんに向かって走る。
この剣は父さんが魔法で作った剣で斬っても傷になったりしないから、全力でいこう!!
そう思った俺は、思いっきり剣を横に凪払うように振る。
だが父さんはそれを見切っており、ギリギリのところで避けられた。
「はぁぁぁぁ!!」
俺はそこから構えを上段に変え強く踏み込んでジャンプし、剣を振り下ろす。
すると魔法がぶつかる甲高い音が響き、お互いの剣がぶつかり合う。
すぐに剣を跳ね返されたが、そこから更に回し蹴りで父さんに距離を取らせ体制を整え、再び斬撃を繰り返すも通用せず鍔迫り合いに。
「いい気迫だクオン。だが……」
「え?うわ!?」
父さんが消えたかと思った瞬間、俺は地面に倒れていた。
そして顔の真横には、父さんの剣が。
ぜ、全然見えなかった……。
「勝負あり、ですね」
俺達から離れて見ていたチグサがそう宣言し、俺は体を起こした。
「ふぅ、まだまだ父さんには勝てないな」
「そう簡単には抜かれないさ。だがお前もいい太刀筋だったぞ」
「ありがとう。でもまだまだだから、もう一本いいか?」
「勿論だ」
「二人共、頑張って~」
チグサの応援を背に、俺は夕方まで父さんと修行した。
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