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そして次の日も、次の次の日も、父さんと特訓したり、チグサと魔法の勉強をしたり、村の人々と触れ合ったりと、幸せな日々を過ごしていた。
だがそんな幸せな日々は、奴が現れた事により突然に終わりをつげる。
―――――――――――
「チグサ、シグレ、クオン!!大変だ!!早く逃げろ!!」
いつもの場所で特訓していた俺達に、チグサの父親であるバルドさんが血相を変えて入ってくる。
「いきなりどうした?」
「どうしたもなにもない!!村にある男が訪ねてきたんだが、そいつが村を焼き払ってるんだよ!!」
「なっ!?」
村を焼き払ってる?
村には力も魔法も使えない子供達や、女性もいるのに?
何の為に?
色々な思考が頭を巡り、考えがまとまらない。
一体どうすれば……。
「クオン!!チグサ!!お前達は逃げろ!!俺達はそいつを探す!!」
「その必要はない。ここに居たか、清流騎士シグレ」
入口からゆっくりと歩いてくるそいつは、全てが異常だった。
身にまとう漆黒の鎧と肩に担いでいる漆黒の大剣は返り血で濡れ、寒気がするほど禍々しい気で包まれている。
さらにその顔は狂気で満ちており、まるで悪魔のようだ。
俺とチグサはそいつを見て無意識に、一歩も動けなくなってしまっていた。
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