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「爆ぜろ!!豪炎剣ボルケイノ!!」
奴は大剣に炎の魔力を込めると、漆黒から真紅の炎を纏う大剣へと変化した。
そして剣先を父さんに向けたまま、凄まじい踏み込みで突きを放つ。
「ぐわぁぁぁぁ!!」
「父さん!!」
「おじ様!!」
父さんは剣で防ぐもその威力に耐えられず、体ごと遠くで見ていた俺達の所まで吹き飛ばされた。
そしてその姿を見て絶句する。
全身を切られ、さらにこの火傷の数……。
俺には見えなかったけど、相当な回数だったんだろう。
しかし父さんより強いなんて、なんて奴だ。
このままじゃ俺達は……。
「おじ様、すぐ回復させます!!」
「いや……回復はいい。こんな人間がいたとは、予想外だった。お前達を先に逃がして、本気でいく」
「え?それってどういう……」
いい終わる前に俺達の体は光に包まれ、段々と視界が揺れていく。
これは……転移魔法!?
父さんは水の魔法しか使えないって言ってたのに。
「クオン、チグサ……。また会おう。今度は敵同士として……」
「とうさ……!!」
俺の声は父さんに届く事はなく、俺達はどこかに飛ばされた。
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