2人が本棚に入れています
本棚に追加
「うわ!?」
「キャッ!?」
いきなりでうまく尻餅をついてしまったが、急いで辺りを見渡してみる。
父さんも奴も居ないけど、この景色は見覚えがある。確かここは、ロギンクスに行くまでの山の麓か?
「チグサ、ここって……」
「ええ。ロギンクスの麓ね。ここならまだそう遠くないし、おじ様の所に行け」
刹那。ロギンクスの方から凄まじい爆発音と、村全体を包んでいるであろう火柱が巻きおこった。
さらに地響きが鳴り、辺りの木々が倒れてくる。
「チグサ!!ここは危険だ!!一旦、離れよう!!」
「わかったわ!!」
こうして俺達はあてもなく走った。
俺達は村を出たことがないから、どこに町や村があるかわからない。
それでも父さんが救ってくれたこの命、簡単に捨てる訳にはいかないから。
――――――――――――
「はぁ……はぁ……」
どれくらい走ったか。
ロギンクスはとっくに見えなくなり、地響きもしない所で俺達は足を止めた。
ちょうどよく一休みできそうな岩もあるし、モンスターがいる気配もない。
ここで休憩するか。
そう思い地面に座り込むとチグサも察してくれたのか、俺の隣に座った。
最初のコメントを投稿しよう!