薄紫の記憶

彼とのこと

彼とはね…

ママは知ってるよね…彼のこと。

時々うちに遊びに来てた彼。
あの時は好きって言うか、好きだけどずっと一緒にいたいって言うのは解らなかったの。

だってお兄ちゃんたちがいろいろと言うんだもん。
男ってのはね…って。

お兄ちゃんたちがパパ代わりだったから、男の人はお兄ちゃんたちと比べてしまうの。

柊兄ちゃんは頼りがいがあって、いつも頼もしい。
小さい頃からずっと守ってきてくれた大事なナイト。
パパとは血が繋がらないママが昔愛した人の子供。

健太郎兄ちゃんは、小さい頃は一緒に暮らしていなかった。
パパと昔結婚してた人との子供。
海外でお母さんと暮らしてて、学校を卒業してから帰ってきたから、何年も一緒に暮らすことはできなかったけど、
頭が良くて、優しくて。
相手の気持ちが分かる、こちらも私の大事なナイト。

だけど、ある日。

二人にも相談できないことが起きたの。
二人とも結婚して家庭があったから、心配かけたくなかった。

だってお兄ちゃんたち、私が困っていたら絶対に駆けつけて来てくれると解っていたから。