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見上げれば、落ちてきそうなほど空一面に散りばめられた星屑。
白い息を吐き出しながら、ダウンコートのポケットに手を入れて身体をぎゅっと縮める。
車からマフラーを取り出して口元まで覆うと、もう一度夜空を見上げた。
痛みにも似た空気の冷たさが、より一層星を輝かせる。
いつもよりずっと近くて静かな夜空に抱かれながら、私は何度も何度も願った。
どうか、この想いが届きますように、と。
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